クロモリ迷走記

クロモリのCOLNAGO MASTERと、PANASONIC FRCD05に乗っています。カーボンのGIANT TCRと、アルミのGIANT REVOLTも持っています。

都民の森〜奥多摩湖〜旧日原トンネル〜峰集落跡〜鳩ノ巣渓谷ぶらり旅

 今日は、また奥多摩方面を走りました。今回のテーマは、「紅葉」と「廃墟」の2つ。非常に撮れ高が多く、写真とエピソードをかなり絞ったにも関わらず、いつもより長くなってしまいました。以下、大まかにセクションを切って、記述します。

武蔵五日市〜都民の森

 今日は、武蔵五日市からスタート。朝方の気温は低めですが、良い天気。

 都民の森までは何度も走っていて、このブログにも何度か書いているので、基本的な情報は割愛します。わりと序盤から周囲の木々が色づいていて、紅葉が綺麗。

 景色を楽しみながら淡々と登って、数馬の湯を通過*1。その場の気分で、いつも通り過ぎるだけの九頭龍神社にお詣り*2。今日は、普段はスルーしている場所に、いろいろと立ち寄りたいと思います。


 旧料金所を越えたあたりから、黄色い葉よりも赤い葉が増えてきた気がします。


 このあたりで写真をたくさん撮ったのですが、今日は盛りだくさんなので、ざっくりカット。。。そして、都民の森に到着したら、とちの実でみとうだんご(くるみ味噌)を補給。


 ベンチでお団子を食べていたら、大量の登山客がバスで輸送されてきたので、さっさと撤退*3

風張峠〜奥多摩湖

 都民の森を出たら、風張峠(1147m)をサクッと越えて、奥多摩湖の方にダウンヒル。こちら側も紅葉が綺麗でしたが、紙幅の都合で大幅カット。


 というのも、奥多摩側の旧料金所のところにある廃墟の写真を載せたいから(笑) 奥多摩湖ロープウェイの三頭山口駅跡に初めて立ち寄りましたが、こんな廃墟が(少なくとも明示的には)立入禁止になっていないのは、奇跡ですね。しかし、最近廃墟荒らしに遭ったようで、嘆かわしい限り。。。




 廃墟を出たら、そのまま奥多摩湖の定点観測ポイントへ。18日前とは、まったく景色が変わっていますね。


日原街道

 奥多摩湖の次は鳩ノ巣方面に行く予定でしたが、ここまで意外と早く進んできたので*4、日原街道に入り、日原方面へ。今日は、奥多摩工業無人ロッコ奥多摩工業曳鉄線)がたくさん稼働していました*5

 林道川乗線の入口も通過し*6、日原トンネルに到着。このトンネルの左脇に旧道の入口がありますが(正確には「ありましたが」)、現在は、奥多摩工業の敷地であるため、関係者以外は入れません。

 そこで、日原トンネルを反対側に抜けたところにある脇道へ。ここは日原街道の旧々道(つまり、2代前の道)で、最初の少しの区間だけ普通に通れます。

 旧々道(いま通っている細い道)と旧道(現道からの分岐は消滅)はすぐに合流し、「トンネル内 カーブあり」という看板があります。それよりも目を引くのは、巨大なグレーの斜面。これは、石灰岩の採掘による大崩落地帯。。。

 この看板の先のカーブを曲がると、旧日原トンネルが出現。このトンネルを通れないのは分かっていましたが、少し興味があったので見に来ました(ここまでは、合法的にアクセス可能)*7

 このトンネルが封鎖されている理由は、この先が鉱山で、発破作業があるから。


 実は、旧トンネル(=旧道)脇にある旧々道を通って、先に進むことも不可能ではありません。ただ、先ほどの大崩落地帯を越えていくことになりますし、不法侵入にもなるので、やめた方がいいでしょう*8。私も、ここで引き返します。


数馬の切通

 日原街道を青梅街道まで引き返したら、鳩ノ巣方面に向かいます。その途中、白丸トンネルの側道を通過。この側道にある数馬隧道は、私のお気に入りの場所の1つ。

 ただ、その隧道の脇にある数馬の切通しを登ったことはありませんでした。折角なので、ここにも寄っていきましょう。結構急な登りで、敷き詰められた落ち葉の下が水たまりになっているという罠もありました(苦笑) 隧道ができる以前はここを通っていたそうですが、昔の人は大変ですね。。。というか、トンネルというものが(どんなに小さいものであっても)いかに交通を便利にしたのかがよく分かります。




林道西川線〜峰集落跡

 鳩ノ巣に着いたら、久しぶりに鳩の巣釜めしで食事しようかと思いましたが、、、平日なのに行列ができています。。。私は並ぶのが大嫌いなので、手持ちのパンを1つ食べて、林道西川線で大根山の神という地点を目指すことに。。。*9 インターネットでは登山道を歩いていく人が多いようですが、私は自転車なので鳩ノ巣駅のすぐ西から北に伸びる道を登ります。スタート地点に公衆トイレがあり、そのあたりから見上げると、結構な斜度。。。約4kmで350mほどアップするので、平均勾配9%程度でしょうか。

 しかも、わりとすぐに未舗装になります。この先で途中で2回ほど短い舗装区間が挟まりますが、基本的にはグラベル林道。大まかに下の方は大きめの石が多く、上の方に行くと走りやすいグラベルになります。

 私のFRCD05のタイヤ(Panaracer Gravel King)は28cなので、慎重に走行ラインを選んで、安全第一で登っていきます(一箇所、ぱっと見では分からない小さな陥没にタイヤを取られて落車しかけましたが、登りで低速だったので何とか持ち直しました) 未舗装で最大勾配が15%を超えるので、なかなかにタフな道ですが、お好きな方が一定数いる気がします*10。序盤から中盤はストイックな登りが続きますが、終盤に少し斜度が緩んで、大根山の神に到着。

 現在は行き止まりの林道を登ってきたのは、単にグラベルを走りたかったからではありません。この先にある峰集落の跡地を訪ねてみたいと思ったからです*11。峰集落は民俗学者柳田國男も訪れた場所で、1972年に廃村になりましたが、いまでも村の痕跡がわずかに残っているようです。ここで自転車を降りて、熊よけの鈴*12、万が一のためのライト(RN1500)と補給食(パン、月餅、ドリンク)を持参します。

 問題は、集落跡までの行き方なのですが、、、このあたりは現在進行形で道を作っているため、地形図や過去の訪問記などがあまり役に立ちません。昔の訪問記によく出てくる「登山道の右側の細い道」というのがどれか分からずに、少し迷いました。。。*13 そして、比較的最近の情報の中に、建設中の林道西川線の途中から斜面を少し下ってアプローチ可能というものがあったので、とりあえず右側の斜面に目を凝らしつつ、行き止まり(=工事地点)まで行ったら、工事関係者に道を訊いてみようという安全策を選択。再び自転車にまたがり、未舗装路をゆっくりと下っていきます。

 数分で工事現場に到着しましたが、、、誰もいません。。。(想定外)

 しかし、ここで奇跡が起きます。工事現場の手前の資材置き場のあたりで周囲を見渡すと、遠くに小さな赤い社が見えます*14。しかも、このあたりは、斜面が比較的なだらか。キタコレ!!! あの社が集落の一部に違いないと確信し、徒歩で斜面を下っていきます。すると、インターネットで見たことのある貯水槽(?)を発見。ついに、峰集落跡に辿り着きました。

 半世紀前になくなった村なので、住居などは残っていませんが、それでも生活の痕跡がそこかしこに見られます*15。ここでもたくさん写真を撮ったので、その一部を載せます。




 昔のサッポロ黒ラベル。これが1970年代のものなのかは分かりませんが、1980年代以降のものではなさそうです*16

 集落跡に何も残っていないのではないか、そもそも集落跡に辿り着けないのではないか、とも思っていたので、大満足*17。林道西川線を下って、鳩ノ巣駅の方に戻ります。

鳩ノ巣渓谷

 最後は、これまたいつも通り過ぎてばかりだった鳩ノ巣渓谷に立ち寄ります。紅葉シーズンということもあって、非常に風光明媚。



 ちなみに、このあたりの建築物の大半は廃墟。マニアの間では有名なところらしいですが、当然のことながら立入禁止なので、外から眺めて雰囲気を味わうだけにします。そして、渓谷を軽く一周したら、先ほど入れなかった釜飯屋さんで遅めのランチ。


 お腹いっぱいになったら、鳩ノ巣駅から輪行で帰宅。本日の走行距離は93.97km、獲得標高は1915mでした。

 なお、今回の旅にあたって、特に参考になったウェブサイトは、以下のとおりです。

*1:真夏の炎天下のときは、よくここの自動販売機で給水します。

*2:奥多摩丹波山あたりに「龍」の文字を含む地名や施設が多い気がします。滝が多い地域だからでしょうか(龍は滝のメタファー?)

*3:ニンゲンの群れを見たくないから、山に来ているので(笑)

*4:主に、都民の森までのヒルクライムが意外と短時間で済んだため。

*5:奥多摩工業の氷川工場に奥多摩工業曳鉄線を見に行ったときの日記はこちら

*6:林道川乗線から踊平トンネルを目指したときの日記はこちら

*7:現在の日原トンネルは1979年完成なので、私は現トンネルしか通ったことがありません。しかし、私の両親(どちらも東京生まれ)が子供の頃に日原鍾乳洞に行く場合は、この旧トンネルを通っていたのですね。。。今度、話を聞いてみたいと思います。

*8:数々の困難を乗り越えて、先の先まで行った猛者もいます。続編も含めて、非常に読み応えがあるので、興味がある方は読んでみてください。

*9:林道西川線の詳細に関しては、こちらを参照。

*10:将来的に林道入川線と繋がるという説があるので、周回ルートを組めるかもしれません。

*11:奥多摩には、もう1つ峰集落と呼ばれる場所がありますGoogle検索をすると、そちら(奥多摩湖の峰谷橋の北)もヒットするので要注意。

*12:乗鞍岳」と書かれた鈴は、自転車乗り的には防御力が高そうに感じます(笑)

*13:結論から言うと、その「細い道」は、工事で拡張された林道西川線である可能性が高いです。

*14:言うまでもないことですが、工事現場は少しずつ動くので、今後も工事現場が目印になり続ける可能性は低いです。

*15:住居がかろうじて残っていた頃の様子は、こちらで見られます。

*16:1980年以降の缶の写真が載っているサイトを見つけました。

*17:仮に廃村を発見できなかったとしても、林道西川線を走れたことで一定の満足は得られたと思いますが。